値段の高い石がやっぱり品質がいいのでしょうか?

(ご質問)お墓を建てるにあたっては、値段(単価)の高い石を選んだ方が長持ちするのでしょうか?値段の高い石が硬くて風化に強い、つまり品質が良いのでしょうか?

(ご回答)石の値段は、希少価値によって決まるところが大きいです。産出量が少ない=値段が高い という部分が大きいので、値段の高い石が必ずしも高品質とは限りません。ただし、黒い石は、白い石に比べて吸水率が低く、硬い石が多いので、値段や品質が、白い石<黒い石 ということは(一般的には)言えると思います。もちろん例外があります。

(解説)

<石の価値は希少価値で決まる?>

石の値段はどのように決定されるのか?一言で言えば「希少価値」ということになるかと思いますが、単純にそうとも言い切れません。例えば、金とかダイヤモンドには希少価値がありますが、墓石に使われる石に希少価値があったとしても、似たような石は世の中にたくさんあるので、あえてその石を使わずに似たような違う石を使って墓石を建立するケースも多いと思います。産出量が少ない石は、品質が安定していないことも多く、仮にその石で注文を受けても、在庫が少ないため同じ品質の石で加工を完了することができないこともあります。つまり、産出量の少ない石は、逆に加工しにくい石として敬遠されてしまいがちなのです。

<石の相場が決定される要因>

石は大変重いものです。石を採掘場からひっぱり出して、工場まで運搬し、加工する。運搬方法も陸送、海上運搬など、いろいろです。運搬費は、燃料代が高くなれば自動的に高くなります。採掘場が工場から近い場所にあれば、遠い場所から運んでくるのに比べて運搬費が安くなります。運んできた石がほとんど無駄なく製品になればよいですが、半分以上が不良品になってしまった場合には、その石は高上がりになります。安定して大量に採掘場から石が出荷される石は安くなる傾向があり、なかなかいい石が採れないものは、採掘業者としても一個一個のブロックの値段を高くしなければ採算がとれません。石は磨く前は比較的白っぽいものですが、磨くと黒くなったり白くなったり青くなったりします。黒い石は白い石と比べて硬く、磨きにくいため、丁寧に時間をかけて磨かないと光沢のある綺麗な仕上がりになりません。磨く時間がかかるということは、それだけ値段も高くなります。

<石材の品質と価格は相関するのか?>

墓石に使用される御影石として当社で扱っている石のほとんどは、品質と産出量が比較的安定しているものの中から選んでおります。

品質の安定していない石というのは、例えばヒビや縞(しま)、斑点などが出やすい石(建立後に支障が出る場合もあります。)など、採掘した石のうち墓石になる率が少ないもののことをいったり、それ以外にも、例えば石の色が明るいかったり暗かったり、一つ一つの石の品質に問題はないのですが、組み合わせて使うと色がバラバラに見え、統一感に欠ける石のことをいいます。統一感がでるように石目を合わせることに努力しますが、それでも天然のものである以上、よく見れば若干異なることがあります。墓石として使用する以上、ある程度の大きさ、長さで採掘されないと困ります。しかし、石によっては長いもの、大きいものが採れなかったりする場合もあります。

石の値段は、ざっくり言えば、黒い石が高く、白い石が安く、白でもない黒でもない石が真ん中の価格帯であります。しかし、白い石でも例えば、国産の石は黒い石よりも数倍も高い石もあります。黒い石は白い石に比べて硬度があり(硬い石である)、吸水率も低く(水を吸いにくい)、風化に強いと一般的に言われております。

しかし、50年、100年といった長期間で考えたときに、黒い石と白い石とでは価格に比例して白い石のほうが早く風化してボロボロになるか?といえばそんなことはないと思います。栃木県で採掘されている大谷石などのように、酸性雨に弱い石は、長年の雨でボロボロになるケースが多発しました。しかし、当社で現在海外から輸入している御影石は、大谷石に比べても硬く、風化に強いものを厳選しておりますので、安心してお買い求めいただけると思います。なお、石の学問的な分類によると、御影石はマグマが固まってできた石、大谷石は火山灰が堆積してできた石で、成り立ちが異なることにも注意が必要です。

以上から、石の値段は品質(硬度・吸水率)に比例しているともいえますが、そうでない石材もある。採掘場が交通に不便なところにあるとか、原石の中で製品になるところが少ないという理由で値段が高い(割高)ということもある。逆に言うと、採掘場の立地条件が最高で不良品が少ない石材は、品質の割に安い(割安)ということもあるのです。

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